パントテン酸とはビタミンB群の一つでビタミンB5と表されることもあります。ビタミンは主にカラダの調子を整える働きに関わり、種類によって働きは異なります。
パントテン酸は、幅広い食べ物に含まれています。そのため、ギリシャ語の「あらゆる場所に存在する」という意味を表す「パントテン」と名付けられました。
パントテン酸はカラダの中でどのような働きをしているのでしょうか。パントテン酸の働きと目安量、パントテン酸を含む食品を紹介します。
パントテン酸の働き
パントテン酸は、コエンザイムA(CoA)を構成する成分として働いて、三大栄養素(PFC)のエネルギー代謝に関わっているビタミンです。ビタミンは、水に溶けやすい性質のある水溶性ビタミンと、脂に溶けやすい性質のある脂溶性ビタミンの2種類に分類されます。パントテン酸は水溶性ビタミンのため余分に摂取した分は尿として排泄されます。
食品中のパントテン酸の多くは、酵素タンパク質と結合した状態で存在しています。調理の過程や消化酵素の影響によりパントテン酸となり、カラダに吸収されます。
パントテン酸はエネルギー代謝に欠かせない栄養素であり、免疫抗体の合成、薬物の解毒作用、脂質の代謝を促すHDLコレステロールの増加、副腎皮質ホルモンの合成による抗ストレス作用がります。また、コーラーゲン生成に必要なビタミンCの働きを助けるため肌の健康にも関わっています。
パントテン酸の1日の摂取目安量
三大栄養素(PFC)のエネルギー代謝に関わっているパントテン酸は、カラダに必要不可欠なビタミンのひとつです。では、パントテン酸の1日の摂取目安量をご紹介します。パントテン酸の摂取目安量は、日本人の食事摂取基準で示されています。
パントテン酸の摂取目安量は、性別や年齢によって異なります。令和元年の国民健康・栄養調査のパントテン酸の平均値をみると、男性は6.05mg/日、女性は5.28mg/日です。日本人の食事摂取基準と比べると、国民健康・栄養調査のデータ上では、ほぼ目安量を摂取できていることになります。
過剰摂取による副作用が心配されるビタミンには摂取する際の上限量が示されていますが、水溶性ビタミンのパントテン酸には示されていません。
パントテン酸を多く含む食品
水溶性ビタミンは、パントテン酸は、野菜や果物などの植物性食品だけではなく鶏肉などの動物性食品にも多く含まれています。
パントテン酸を特に多く含む食品は鶏レバーです。上記以外にも幅広い食品に含まれているパントテン酸は、極端に食事量が減ったり偏食したりすることがなければ不足しにくい栄養素と言われています。
カフェイン、アルコールは食べ合わせに注意
水に溶けやすく熱で分解されやすいため、シンプルな調理法がおすすめです。動物性食品・植物性食品のどちらにも含まれるので、摂取しやすい食材を選ぶことができます。カフェインとアルコールにはパントテン酸の吸収を阻害する働きがあり、食べ合わせには注意が必要です。
また、パントテン酸は、食品から摂取するほかに、わずかな量ですが腸内細菌によって合成されるといわれています。
摂取不足によるリスク
パントテン酸には、様々な種類の食品に含まれています。そのため、通常の食生活で欠乏する可能性は低いです。しかし、極度の栄養失調状態になると欠乏症になる可能性があります。欠乏症になると、手足の知覚異常、しびれ、灼熱感、頭痛、疲労、不眠、胃不快感を伴う食欲不振などの症状が現れます。
まとめ
パントテン酸は、エネルギー代謝、免疫抗体の合成、薬物の解毒作用、脂質の代謝を促すHDLコレステロールの増加、副腎皮質ホルモンの合成による抗ストレス作用がります。また、コーラーゲン生成に必要なビタミンCの働きを助けるため肌の健康にも関わっています。
そして、様々な種類の食品に含まれています。そのため、通常の食生活で欠乏する可能性は低いです。しかし、極度の栄養失調状態になると欠乏症になる可能性があります。欠乏症になると、手足の知覚異常、しびれ、灼熱感、頭痛、疲労、不眠、胃不快感を伴う食欲不振などの症状が現れるので注意が必要です。
特に三大栄養素(PFC)のエネルギー代謝に関わるビタミンは、摂取が重要です。不足してしまった場合のカラダに起こる影響が著しく起こります。不調を感じる場合は、食習慣を見直してみてはいかがでしょうか?
【参考】令和元年の国民健康・栄養調査