ビタミンCに Switch on!
ビタミンCは、コラーゲン生成サポート、抗酸化作用による活性酸素の除去、ストレス対策、免疫力アップなど、健康や美容に欠かせない栄養素です。今回は、そんなビタミンCにSwitch on!
ビタミンCとは?
ビタミンC(別名 アスコルビン酸)は、水溶性ビタミンの一種です。健康にはもちろん、美容にも欠かせない栄養素として知られています。人間はビタミンCを作り出す酵素を持っておらず、体内でビタミンCを作ることができないため、食べ物や飲み物から摂取する必要があります。
ビタミンCの一日あたりの摂取量の目安
「日本人の食事摂取基準」(2020年版)によれば、ビタミンCの1日あたりの推奨摂取量は、成人の場合100mg/日が目安です。
こちらの摂取量目安は低いと言われることもしばしばです。ビタミンCは、水溶性ビタミンのため血液に溶け込み尿で排出されます。一回で大量摂取しても体に蓄積しておくことができないため、毎日しっかり摂取することが大切です。
また、喫煙者の場合は、タバコを吸っていない人よりもビタミンCの必要性が高いといわれています。これは受動喫煙(自分ではタバコを吸わないものの、周囲の人が吸うタバコの煙を吸わされてしまうこと)者の人でも同様で、この場合、推奨摂取量より多いビタミンCを摂取するといいでしょう。
ビタミンC180mgを口から摂ると80~90%が吸収されますが、1,000~5,000mgまで増やすと吸収率は21%まで下がります。(その分吸収される量自体は増えます。)
このとき、吸収されなかったビタミンCは、大腸で乳酸菌などのいい菌を増やしてくれたり、便をやわらかくしてくれます。「オーソモレキュラー栄養医学研究所」
日本人のビタミンCの平均摂取量
厚生労働省の「令和元国民健康・栄養調査」によれば、日本人のビタミンCの平均摂取量は93.5mgだといわれています。
推奨摂取量の100mgに近いもののわずかに不足しているため、毎日の食事で積極的にビタミンCを摂取しましょう。
ビタミンCの働き
ビタミンCには、人間の健康や美容に欠かせないさまざまな重要な働きがあります。
コラーゲンの合成に欠かせない栄養素
ビタミンCは、人間の体の30%を占めるコラーゲンを作るために欠かせない栄養素です。
コラーゲンは皮膚や血管、軟骨などに存在し、美容に関わる他にも、血管のしなやかさを維持するなど健康にも重要な役割を担っています。
膝などの関節が痛い方も積極的に摂取したいです。
鉄の吸収を助ける働きがある
赤血球を作る材料になるミネラルの「鉄」には、ヘム鉄(動物性食品に含まれる)と非ヘム鉄(植物性食品に含まれる)の2種類があります。
ヘム鉄に比べると非ヘム鉄は吸収されにくいことが知られていますが、ビタミンCと一緒に摂取することで非ヘム鉄の吸収率も高まります。
免疫力アップに貢献する
ビタミンCは、血液中の白血球の働きを助ける作用を持っています。白血球は体内に入ってきたウイルスや細菌を倒す働きがあり、ビタミンCをしっかり摂取することで、免疫力を高める効果が期待できます。
強い抗酸化作用がある
ビタミンCには強い抗酸化作用があり、体の中でビタミンEとともに活性酸素を除去し、細胞を守っています。抗酸化作用とは、体が酸化しないように抑制する作用のことです。
活性酸素が体内で過剰になると細胞内のDNAを傷つけてしまうことがあり、細胞の老化を早めたり、動脈硬化やがん細胞の増加を引き起こすなど、さまざまな悪影響があります。
また、活性酸素は肌のハリや弾力、うるおいを保つために欠かせないタンパク質であるコラーゲンやエラスチンの生成にも影響を及ぼします。活性酸素によってコラーゲンやエラスチンの生成が妨げられると、皮膚のハリが低下し、たるみやシワを引き起こす原因になってしまうのです。
抗酸化物質は、活性酸素の働きを阻害することで、老化や動脈硬化などを予防する効果が期待できます。
そのほかにも、ビタミンCはホルモン生成や脂質代謝など、体内のさまざまな酸化還元反応に関わっている栄養素でもあります。
例えば、食後の血糖値を下げるためにインスリンが働きますが、その際に起きる酸化還元反応にも関わっています。(酸化ストレスとインスリン抵抗性)
ストレス対策にもビタミンCが大切
ストレスがかかると、副腎皮質ホルモンというホルモンが出て、ストレスに立ち向かう力が強まります。腎臓の上にある副腎という臓器から副腎皮質ホルモンが分泌されると、一時的に心拍数や血糖値を上げたり、脂肪を消費してエネルギーを作り出すことで、ストレスに対抗するという仕組みです。
この副腎皮質ホルモンが作り出されるのをサポートしているのが、ビタミンCです。
毎日の生活でストレスが多いとビタミンCがたくさん使われ、ストレスへの抵抗力が弱まってしまいます。するとストレスを感じやすくなるなど、悪循環を引き起こしてしまうことになります。
まとめ
ビタミンCは、一般名をL-アスコルビン酸といいます。1753年に英国海軍医師リンドによって、壊血病予防因子として発見されました。
コラーゲン生成サポート、鉄分の吸収率アップ、免疫力アップ、抗酸化作用による活性酸素の除去、ストレス対策、など健康や美容に欠かせない栄養素です。
また、水に溶ける性質を活かし血液や目の水晶体など、体の水溶性の部分でサビをとってくれるほか、疲れてしまったビタミンEを元に戻します。
これらの作用最大限に活用した高濃度ビタミンCの点滴により、がん治療への応用も高まっています。
カラダを作る働きと守る働きの両方で大活躍の栄養素です。
ビタミンCは、水溶性ビタミンのため血液に溶け込み尿で排出されます。一回で大量摂取しても体に蓄積しておくことができないため、毎日しっかり摂取することが大切です。