今回は、PFCでいう【 C:炭水化物(糖質)】を摂取する時に間食やスポーツや筋トレ時の栄養補給に特におすすめな『あんこ』についてです。栄養豊富で健康面だけでなく美容効果も高いのでオススメです。この『あんこ』の魅力についてご紹介いたします。
『あんこ』には様々な種類がある!?
あんこの原材料と言えば、小豆を思い浮かべる方が多いと思います。しかし、あんこを原材料別に分けると「小豆あん」の他に、「赤あん」、「白あん」、「うぐいすあん」、「ずんだ」、「芋あん」など多くの種類が挙げられます。それぞれの原料について見てみましょう。
小豆あん
あんこの中でも、代表的なのは小豆あん。名前の通りで、小豆が原料です。基本的にあんこと言えば、小豆あんのことをいいます。
赤あん
赤あんは、小豆あんの別名で使われることが多いです。しかし、赤あんは小豆の他にも、赤いんげん豆と言った、赤い色をした豆を使ったあんも分類されます。
白あん
白あんは、白いんげん豆や白小豆、白ささげ豆などの白い豆を使って作られたあんこのこと。名前の通り、白い色が特徴です。また、赤あんに比べると甘みがさっぱりしているので、フルーツなど他の素材と合わせる際に用いられることが多いです。
うぐいすあん
うぐいすあんは、鮮やかな緑色が特徴的で、青えんどう豆が原料です。青えんどう豆という名称よりも、グリーンピースという呼び名の方が馴染みがあると思います。
ずんだ
ずんだあんは枝豆が原料で、宮城県や山形県に伝わる伝統的なあんこです。東北地方の菓子店では、このずんだを使った和菓子や”ずんだ餅”などが多く売られています。
芋・栗あん
あんこの原料は主に豆ですが、同じように澱粉質の多い芋や栗を使っても作ることができます。芋や栗を使ったあんこは、豆とは違った風味や食感が特徴的です。
小豆を原料とした、一般的な『あんこ』の栄養素
豆類/あずき/全粒、ゆで 栄養成分(100gあたり)
茹でた小豆の栄養素について解説します。
エネルギー124kcal、たんぱく質8.6g、脂質0.8g、炭水化物25.6g、ナトリウム1mg、水分63.9g、食物繊維8.7g、鉄1.6mg、マグネシウム43mg、ビタミンB1 0.15mg …
出典:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 (豆類/あずき/全粒、ゆで)
炭水化物とは糖質と食物繊維からなります。よって【糖質=炭水化物−食物繊維】であることから、ゆで小豆(無糖)の糖質は、16.9gということになります。豆の一種なので、穀物の中では糖質は低めです。
それでも糖質が気になる方は、砂糖さえ添加しなければ糖質制限の味方になります。
小豆には、たんぱく質、食物繊維、ビタミンB群、カリウム、鉄、亜鉛などの栄養成分が豊富に含まれています。特に、植物性たんぱく質や食物繊維の含有量が高く、健康や美容に良いとされています。
スイーツや和菓子として考えると、この栄養価の高さは素晴らしいといえます。
高血圧、高脂血症の予防、利尿作用でむくみ改善
カリウムやサポニンという栄養素が含まれており、高血圧、高脂血症の予防、利尿作用がありむくみにも有効です。
ポリフェノールで抗酸化作用
また小豆には赤ワインを超えるたくさんのポリフェノールが含まれています。嬉しい働きは、悪玉コレステロールの上昇を安定させるなど血管を大掃除してくれます。抗酸化物質であるポリフェノールは血管の大掃除にとても大事です。美容の面でもアンチエイジング効果があります。
貧血対策
鉄分が含まれるため貧血予防にもなります。
ビタミンB1
大豆やいんげん豆には劣りますが、ビタミンB1も含んでいて、糖質をエネルギーに変える役割や疲労回復をしてくれます。
便秘の対策に
食物繊維は小腸で分解されずに大腸まで届き、便の量・水分を増やし、便が腸内にとどまる時間を短くしてくれます。 また、あずきにはオリゴ糖も多く含まれ、腸内の悪玉菌の増殖を抑え、善玉菌を増やすので、私たちの腸管免疫の働きを高め、老化防止にもつながります。
メイラード反応からできる『メラノイジン』
あんこにはもう1つ、ポリフェノールの他に抗酸化物質があります。それは、小豆をあんこにすることで誕生する『メラノイジン』という物質です。
たんぱく質(アミノ酸)と糖分が加熱され、メイラード反応という化学物質が起こることで「メラノイジン」が生まれます。この「メラノイジン」は、ポリフェノールと同じく血管の大掃除が期待できる抗酸化物質。「ポリフェノール」に「メラノイジン」が加わることで、赤ワインより強い抗酸化力を持ちます。
※ ホットケーなどのキツネ色の美味しい焼き目と香りは、メイラード反応によって生まれてきます。こちらは過ぎると焦げとなりますが、糖化や老化の原因となるため全てがメリットという訳ではない事も把握する必要があります。
メイラード反応に影響を与える要因について
班員 松生 希海、鈴木 彩花、谷口 怜楽、二俣 淳生 担当教諭 髙橋 潤哉
メイラード反応、メラノイジン、吸光度、鎖状構造「メラノイジンは抗酸化作用など、多くの生理機能を持つため、人体への良い影響が期待されるが、同時に発がん性物質であるアクリルアミドを生成するため、それらの制御が重要となる。」
引用した参考文献
『つぶあん』と『こしあん』
あんこには、お汁粉などの粒の入った『つぶあん』と羊羹などのなめらかな『こしあん』があります。つぶあんとこしあんで栄養が変わるります。
それは、作り方の工程で変わります。
- 粒あんは、小豆を皮付きで加熱し砂糖などで煮詰めて練る
- こしあんは、一般的に皮をとってから砂糖などで煮詰めて練る
皮の有り無しが栄養の違いです。それではそれぞれの特徴的な栄養素はどんなものでしょう?
『つぶあん』に含まれる小豆の皮の部分には、ポリフェノールがたくさん含まれており、皮ごと茹でて作る粒あんにはポリフェノールが凝縮されています。
皮の中の実の部分には鉄分が多く含まれています。『こしあん』同じ容量だと身の部分が多くなるため、つぶあんよりも鉄分の割合が多くなります。鉄分は血液の元になるヘモグロビンを作る成分であるためとても大切です。
また、『こしあん』は『つぶあん』よりも100gあたり90kcal程低くなります。これは、単純に皮の部分が含まれるかどうかでカロリーが違ってくるからです。
『あんこ』を使った食べ物の一覧
- 大福
- おはぎ
- 草餅
- どら焼き
- たい焼き
- 小倉トースト
- お饅頭
- きんつば
- 羊羹
- 最中(もなか)
- おしるこ
- あんみつ
など…
まとめ
スイーツやお菓子といったら、健康には不向きというイメージも多いかもしれません。その中でも、栄養豊富で健康面だけでなく美容効果も高いのでオススメです。
もちろん、食べ過ぎにはご注意ですが、人工甘味料やトランス脂肪酸、ショートニングなどで作られるクッキーなどに比べると『あんこ』の使われた和菓子やスイーツは、お子様のおやつにも最適かもしれません。
最近では、お饅頭や羊羹などは100円程度でコンビニなどでも簡単に手に入れる事ができます。運動やスポーツの前や合間に手軽に補食しやすいのもメリットです。
(C):炭水化物(糖質)を摂取する時に、間食、スポーツや筋トレ時の栄養補給に特におすすめな『あんこ』の魅力についてご紹介しました。糖質でエネルギーを補給して、筋肉の分解の抑制作用も期待できるため、アスリートやトレーニーの方々のエネルギー補給にも選ばれいます。