
椎間板ヘルニアの痛みにお悩みではありませんか?この記事では、そのつらい症状を引き起こす主な原因を徹底的に解説し、ご自宅で実践できる効果的なセルフケア方法を詳しくご紹介します。正しい知識と適切なケアを身につけることで、日々の痛みを和らげ、快適な生活を取り戻すための具体的なヒントが得られます。諦めずに、今日からできる対策を始めましょう。
1. 椎間板ヘルニアの痛みにお悩みの方へ

腰や足に感じる痛みやしびれで、日常生活に大きな影響が出ていることに心を痛めていませんか。朝起き上がる時、長時間座っている時、あるいは少し歩くだけでも、ズキッとした痛みや重だるさ、足の感覚の異常に悩まされているかもしれません。
椎間板ヘルニアによる症状は、仕事や家事、趣味など、これまで当たり前のようにできていたことを困難にし、精神的な負担も大きいものです。この痛みがいつまで続くのか、もっと悪くなるのではないかという不安を抱えながら日々を過ごしている方もいらっしゃるでしょう。
このページでは、椎間板ヘルニアがなぜ起こるのか、その主な原因を深く掘り下げ、さらにご自宅で実践できる効果的なセルフケア方法について詳しく解説していきます。ご自身の体の状態を理解し、適切なケアを始めることで、痛みを和らげ、より快適な日常生活を取り戻すための一歩を踏み出せるよう、心を込めて情報をお届けいたします。
2. 椎間板ヘルニアとはどんな病気?

椎間板ヘルニアは、背骨のクッション材である椎間板が変形し、その一部が飛び出して神経を圧迫することで、さまざまな症状を引き起こす病気です。特に腰の椎間板に起こりやすく、多くの方が経験する腰痛や足のしびれの原因となります。
2.1 椎間板ヘルニアの主な症状
椎間板ヘルニアの症状は、飛び出した椎間板がどの神経を圧迫するかによって異なりますが、主に腰や足に痛みやしびれが現れます。症状の出方には個人差があり、軽度で済む場合もあれば、日常生活に大きな支障をきたすほど重くなる場合もあります。
| 症状の種類 | 具体的な内容 |
| 腰の痛み | 腰の中心部や臀部にかけて、鈍い痛みや鋭い痛みが現れます。特に体を動かしたときや、長時間同じ姿勢を続けたときに悪化しやすい傾向があります。 |
| 足の痛みやしびれ | お尻から太ももの裏、ふくらはぎ、足先にかけて、電気が走るような痛みや、ジンジンとしたしびれが広がるのが特徴です。これは坐骨神経痛と呼ばれる症状の一つです。 |
| 感覚の異常 | 足の感覚が鈍くなったり、冷たく感じたりすることがあります。 |
| 筋力低下 | 足に力が入らなくなり、つま先立ちや踵立ちが難しくなることがあります。場合によっては、足を引きずるような歩き方になることもあります。 |
| 排尿・排便障害 | ごく稀に、膀胱や直腸の機能に影響が出ることがあります。これは緊急性の高い症状であるため、すぐに適切な対処が必要です。 |
これらの症状は、咳やくしゃみ、重い物を持ち上げる動作などで悪化することがあります。ご自身の症状に当てはまるものがないか、確認してみてください。
2.2 椎間板ヘルニアが起こる体の仕組み
私たちの背骨(脊椎)は、椎骨という骨が積み重なってできており、その椎骨と椎骨の間には「椎間板」と呼ばれるクッション材があります。椎間板は、中心にゼリー状の「髄核」があり、その周りを硬い繊維でできた「線維輪」が取り囲んでいます。この椎間板が、私たちが体を動かす際の衝撃を吸収し、背骨の柔軟性を保つ重要な役割を担っています。
椎間板ヘルニアは、この椎間板の線維輪に亀裂が入り、内部の髄核がその亀裂から飛び出したり、膨らんだりすることで発生します。飛び出した髄核が、すぐ近くを通っている神経の根元を圧迫したり、炎症を引き起こしたりすることで、痛みやしびれといった症状が現れるのです。
特に腰の部分(腰椎)は、上半身の体重を支え、様々な動きに対応するため、最も負担がかかりやすい部位です。そのため、椎間板ヘルニアは腰椎に発生することが多く、一般的に「腰椎椎間板ヘルニア」と呼ばれています。
3. 椎間板ヘルニアの主な原因を徹底解説

椎間板ヘルニアは、日々の生活習慣や体の変化が複雑に絡み合って発症することが多い疾患です。ここでは、どのような要因が椎間板ヘルニアを引き起こすのか、そのメカニズムとともに詳しく解説いたします。
3.1 日常生活に潜む椎間板ヘルニアの原因
私たちの普段の行動や体の使い方には、知らず知らずのうちに椎間板に負担をかけ、ヘルニアのリスクを高めてしまう要因が隠されています。一つひとつ見ていきましょう。
3.1.1 悪い姿勢が引き起こす負担
日頃の姿勢は、椎間板にかかる圧力に大きく影響します。特に、猫背や反り腰といった不自然な姿勢は、椎間板に偏った負担をかけ、特定の部位に過度な圧力を集中させてしまいます。 例えば、猫背では背骨が丸まり、椎間板の前方に圧力がかかりやすくなり、反り腰では腰椎が過度に反ることで、椎間板の後方に負担が増大します。このような状態が長く続くと、椎間板の変性を早め、ヘルニア発症のリスクを高めることにつながります。
3.1.2 重い物の持ち方や中腰の作業
重い物を持ち上げる際、腰を曲げて持ち上げる動作は、椎間板に非常に大きな負担をかけます。特に、急な動作や不適切な持ち方は、椎間板に瞬間的に強い圧力を加え、ヘルニアを引き起こす直接的な原因となることがあります。 また、長時間の中腰での作業も同様に、椎間板に持続的な負荷をかけるため注意が必要です。正しい体の使い方を意識することが、椎間板を守る上で非常に大切になります。
3.1.3 長時間のデスクワークや運転
現代社会では、長時間のデスクワークや運転が避けられない方も多いでしょう。しかし、座った姿勢は立っている時よりも椎間板にかかる圧力が増すことが知られています。 特に、同じ姿勢を長時間続けることで、椎間板への血流が悪くなり、栄養供給が滞る可能性があります。これにより、椎間板の弾力性が失われやすくなり、ヘルニア発症のリスクが高まります。定期的な休憩や姿勢の変更が重要です。
3.1.4 運動不足と筋力低下
運動不足は、椎間板ヘルニアのリスクを高める重要な要因の一つです。特に、腹筋や背筋といった体幹を支える筋肉が衰えると、背骨や椎間板を安定させる力が弱まります。 その結果、日常生活でのちょっとした動作でも椎間板に過度な負担がかかりやすくなり、ヘルニア発症のリスクが高まります。適度な運動による筋力維持は、椎間板の健康を保つために不可欠です。
3.1.5 加齢による椎間板の変化
椎間板は、年齢とともに自然と変化していきます。加齢に伴い、椎間板の水分量が徐々に減少し、弾力性が失われて硬くなる傾向があります。 これは椎間板の変性と呼ばれ、クッションとしての機能が低下することを意味します。椎間板がもろくなることで、外部からのわずかな衝撃や負担でも損傷しやすくなり、ヘルニアの発症リスクが高まります。
3.1.6 遺伝的要因や喫煙の影響
椎間板ヘルニアには、遺伝的な要素も関与していると考えられています。家族に椎間板ヘルニアの経験者がいる場合、ご自身も発症しやすい傾向があるかもしれません。また、喫煙も椎間板の健康に悪影響を及ぼすことが指摘されています。 喫煙によって血管が収縮し、椎間板への栄養供給が阻害されることで、椎間板の変性が促進されると考えられています。
3.2 椎間板ヘルニアの悪化要因
すでに椎間板に何らかの負担がかかっている場合や、ヘルニアの症状が出ている場合に、特定の行動や状態が症状をさらに悪化させる可能性があります。以下に主な悪化要因とその理由をまとめました。
| 悪化要因 | 理由 |
| 無理な姿勢や動作の継続 | 椎間板に持続的または急激な圧力がかかり、ヘルニアの突出をさらに進行させる可能性があります。特に、前かがみやひねる動作は注意が必要です。 |
| 過度な運動や急な負荷 | 椎間板に強い衝撃や負担を与えることで、既存のヘルニアが悪化したり、新たなヘルニアを引き起こしたりするリスクがあります。特に、ジャンプや重い物を持ち上げる運動は避けるべきです。 |
| 体重の増加 | 体重が増えることで、腰椎にかかる負担が増大し、椎間板への圧力が強まります。これにより、ヘルニアの症状が悪化しやすくなります。 |
| ストレスの蓄積 | 精神的なストレスは、筋肉の緊張を高め、血行不良を引き起こすことがあります。これにより、腰部の筋肉が硬くなり、椎間板への負担が増加し、痛みを悪化させる可能性があります。 |
| 寒さや冷え | 体が冷えることで、筋肉が収縮し、血行が悪くなります。これにより、腰部の筋肉が硬くなり、神経への圧迫が増したり、痛みが強まったりすることがあります。 |
| 不適切な寝具の使用 | 柔らかすぎる、または硬すぎるマットレスや枕は、寝ている間に背骨が不自然な姿勢になり、椎間板に負担をかけることがあります。これにより、朝起きた時の痛みが悪化する可能性があります。 |
これらの悪化要因を理解し、日常生活の中で意識的に避けることで、椎間板ヘルニアの症状を軽減し、再発を防ぐことにつながります。
4. 椎間板ヘルニアのセルフケアを始める前に

4.1 セルフケアで痛みを和らげる心構え
椎間板ヘルニアによる腰や足の痛みは、日常生活に大きな影響を及ぼし、精神的な負担も大きいものです。セルフケアを始めるにあたり、まず大切なのは焦らず、長期的な視点を持つ心構えです。
痛みがすぐに消えることを期待しすぎず、日々の小さな変化に目を向けましょう。セルフケアは、一度行えば終わりではなく、継続することで徐々に体の状態を整え、痛みを和らげることを目指します。ご自身の体の声に耳を傾け、無理のない範囲で取り組むことが何よりも重要です。また、痛みを感じながらも「良くなる」という前向きな気持ちを持つことも、回復への大切な一歩となります。
もしセルフケアを行っても痛みが改善しない、あるいは悪化するようであれば、速やかに専門家へ相談することをためらわないでください。自己判断のみで無理を続けることは、かえって症状を悪化させる原因となることもあります。
4.2 セルフケアを行う上での注意点と禁忌事項
椎間板ヘルニアのセルフケアは、適切に行えば痛みの緩和や再発予防に役立ちますが、誤った方法や無理な実践は、かえって症状を悪化させる危険性を伴います。セルフケアを始める前に、以下の注意点と禁忌事項を必ず確認してください。
| 項目 | 詳細な注意点・禁忌事項 |
| 痛みの悪化や新たな症状 | セルフケア中に痛みが強くなったり、新たな痛みやしびれが出現したりした場合は、すぐにそのケアを中止してください。無理に続けることは、椎間板へのさらなる負担や神経症状の悪化につながる可能性があります。 |
| 重篤な症状の有無 | 足の力が入りにくい、感覚が鈍くなる、排尿や排便がしにくい(膀胱直腸障害)といった神経症状が急激に悪化した場合や、新たに現れた場合は、すぐに専門家にご相談ください。これらの症状は、より専門的な対応が必要な状態を示している可能性があります。 |
| 無理な体勢や過度な運動 | 痛みを我慢して無理な体勢でストレッチを行ったり、急激に強い負荷をかけたりする運動は避けてください。特に腰をひねる動作や、前かがみになる動作は椎間板に大きな負担をかけることがあります。痛みを感じる手前で止める、または痛みのない範囲で行うことが大切です。 |
| 急性期と慢性期の違い | 痛みが非常に強い急性期には、安静を最優先し、無理な運動やストレッチは控えるべきです。炎症が起きている可能性が高いため、無理に動かすことで炎症が悪化する恐れがあります。慢性期に入り、痛みが落ち着いてきた段階で、徐々にストレッチや体操を取り入れていくようにしましょう。 |
| 温熱療法と冷却療法の選択 | 急性期の強い痛みや炎症が疑われる場合は、患部を冷やすことで炎症を抑えることが有効な場合があります。一方、慢性的なこりや血行不良による痛みには、温めることで筋肉を緩め、血行を促進することが効果的です。自己判断せず、ご自身の状態に合わせて適切に選択してください。 |
| 持病や既往歴 | 骨粗しょう症、リウマチ、糖尿病などの持病をお持ちの方や、過去に脊椎の手術を受けたことがある方は、セルフケアを始める前に必ず専門家にご相談ください。特定のケアが適さない場合があります。 |
| 自己判断の危険性 | インターネットや書籍の情報はあくまで一般的なものであり、個々の状態に合わせたものではありません。症状が改善しない場合や、不安を感じる場合は、必ず専門家のアドバイスを求めるようにしてください。 |
これらの注意点を守り、安全にセルフケアを進めることで、椎間板ヘルニアによる痛みの緩和と快適な日常生活を取り戻すことにつながります。
5. 自宅でできる椎間板ヘルニアのセルフケア方法

椎間板ヘルニアによる痛みや不快感を和らげ、再発を防ぐためには、日々のセルフケアが非常に重要です。ここでは、自宅で無理なく実践できる効果的な方法を具体的にご紹介します。
5.1 痛みを和らげるための応急処置
急な痛みや慢性的な不調に対して、適切に対処することで症状の悪化を防ぎ、痛みを緩和できます。
5.1.1 急性期の安静と体勢
椎間板ヘルニアによる急性の強い痛みがある場合、無理に動かず安静にすることが最も大切です。炎症が起きている可能性があるため、無理な動作は痛みをさらに悪化させる恐れがあります。痛みが強い時期は、数日間、安静を保つようにしてください。
安静時の体勢としては、仰向けで膝を立てたり、膝の下にクッションを入れたりすると、腰への負担が軽減され、楽に感じることが多いでしょう。また、横向きで寝る場合は、膝を軽く曲げ、膝の間に抱き枕やクッションを挟むと、背骨が安定しやすくなります。痛みが和らいできたら、徐々に日常生活に戻すように心がけてください。
5.1.2 慢性期の温熱療法と冷却療法
痛みの種類や時期によって、温めるか冷やすかを使い分けることが重要です。
| 方法 | 目的 | 具体的な実践方法 | 注意点 |
| 冷却療法 | 急性期の炎症や痛みの緩和 | ビニール袋に氷と少量の水を入れ、タオルで包んで患部に15分程度当てる。市販の冷却パックも利用できます。 | 直接肌に当てない。凍傷に注意し、長時間当て続けない。 |
| 温熱療法 | 慢性期の血行促進、筋肉の緊張緩和 | 蒸しタオル、使い捨てカイロ、温湿布、温かいお風呂などで患部を温める。 | 低温やけどに注意する。急性期の炎症がある場合は避ける。 |
ご自身の痛みの状態に合わせて、適切な方法を選びましょう。どちらの方法も、痛みが悪化する場合はすぐに中止してください。
5.2 椎間板への負担を減らす正しい姿勢
日々の姿勢は、椎間板への負担に大きく影響します。正しい姿勢を意識することで、痛みの軽減や再発予防につながります。
5.2.1 立つときの姿勢
立つときは、耳、肩、股関節、膝、くるぶしが一直線になるようなイメージで立つことを意識しましょう。お腹を軽く引き締め、骨盤を少し前傾させることで、背骨の自然なS字カーブを保ちやすくなります。長時間立ち続ける場合は、片足ずつ体重をかけたり、足元に低い台を置いて交互に乗せたりすると、腰への負担を分散できます。
5.2.2 座るときの姿勢と椅子の選び方
座るときは、深く腰掛け、骨盤を立てて座ることが重要です。背もたれに寄りかかりすぎず、背筋を自然に伸ばすように意識しましょう。椅子は、座ったときに足の裏が床にしっかりつき、膝が90度程度に曲がる高さが理想的です。デスクワークの場合は、モニターの位置を目の高さに合わせ、キーボードやマウスが無理のない位置にあるか確認してください。長時間の座りっぱなしは避け、30分に一度は立ち上がって軽く体を動かす休憩を取り入れましょう。
| 姿勢のポイント | 椅子の選び方 |
| 深く座り、骨盤を立てる | 座ったときに足裏が床につき、膝が90度になる高さ |
| 背筋を自然に伸ばす | 背もたれが腰のカーブをサポートするもの |
| モニターは目の高さに | 安定性があり、座面が硬すぎず柔らかすぎないもの |
5.2.3 寝るときの姿勢と寝具の選び方
睡眠中の姿勢も腰への負担に影響します。仰向けで寝る場合は、膝の下に薄いクッションやタオルを挟むと、腰の反りを軽減できます。横向きで寝る場合は、膝を軽く曲げ、膝の間にクッションや抱き枕を挟むことで、背骨がまっすぐに保たれやすくなります。
寝具は、体圧を適切に分散し、寝返りが打ちやすい硬さのマットレスを選びましょう。柔らかすぎるマットレスは腰が沈み込み、硬すぎるマットレスは体に負担をかけることがあります。枕は、首の自然なカーブを保ち、頭と首を適切に支える高さのものを選んでください。
5.3 椎間板ヘルニアに効果的なストレッチと体操
痛みが落ち着いてきたら、無理のない範囲でストレッチや体操を取り入れることで、筋肉の柔軟性を高め、体幹を強化し、腰への負担を減らすことができます。
5.3.1 腰の負担を軽減するストレッチ
ストレッチは、筋肉の緊張を和らげ、血行を促進します。痛みを感じる場合はすぐに中止し、無理のない範囲で行うことが大切です。
- 膝抱えストレッチ: 仰向けに寝て、片方の膝を胸にゆっくりと引き寄せ、数秒間キープします。反対側も同様に行います。
- 猫のポーズ: 四つん這いになり、息を吐きながら背中を丸め、息を吸いながら背中を反らせます。ゆっくりと呼吸に合わせて繰り返します。
- 股関節ストレッチ: 仰向けに寝て、片方の足首をもう片方の膝に乗せ、膝を胸に引き寄せるようにして股関節周りを伸ばします。
ストレッチ中は呼吸を止めず、痛みのない範囲でゆっくりと伸ばすことを意識してください。反動をつけず、じわじわと伸ばすのがポイントです。
5.3.2 体幹を鍛える簡単な体操
体幹の筋肉は、天然のコルセットのように腰を支える役割を果たします。体幹を強化することで、腰への負担を軽減し、安定性を高めることができます。
- ドローイン: 仰向けに寝て膝を立て、息を吐きながらお腹をへこませ、その状態を数秒間キープします。お腹をへこませたまま、浅い呼吸を続ける練習をします。
- バードドッグ: 四つん這いになり、片腕と対角の片足を同時にゆっくりと持ち上げ、体が一直線になるようにキープします。体がぐらつかないように体幹を意識し、ゆっくりと戻します。
これらの体操は、正しいフォームで行うことが重要です。無理な負荷をかけず、継続することで効果が期待できます。
5.3.3 毎日続けやすい運動習慣
ストレッチや体操だけでなく、全身運動を習慣にすることも大切です。ウォーキングや水中ウォーキングは、腰への負担が少なく、全身の血行促進や筋力維持に効果的です。無理のない範囲で、毎日少しずつでも続けることが、症状の安定につながります。
運動前には軽い準備運動を、運動後にはクールダウンのストレッチを行うことで、怪我のリスクを減らし、筋肉の疲労回復を促します。
5.4 日常生活で意識したい予防と対策
セルフケアは、痛みが出たときだけでなく、日々の生活習慣の中に予防策として取り入れることが大切です。
5.4.1 重い物の正しい持ち方
重い物を持ち上げる際は、腰に負担をかけないように注意が必要です。膝を曲げて腰を落とし、物と体を近づけて持ち上げるようにしましょう。腕の力だけでなく、足の筋肉を使って持ち上げるイメージです。急にひねったり、無理な姿勢で持ち上げたりすることは避けてください。可能であれば、物を小分けにしたり、台車などの道具を活用したりすることも検討しましょう。
5.4.2 デスクワーク中の休憩と体勢
長時間のデスクワークは、腰に大きな負担をかけます。30分に一度は立ち上がって体を伸ばしたり、軽く歩いたりする休憩を取りましょう。座っている間も、正しい姿勢を意識し、時々座り方を変えるなどして、同じ体勢が長く続かないように工夫してください。
5.4.3 ストレス管理と質の良い睡眠
ストレスは筋肉の緊張を引き起こし、痛みを増幅させることがあります。趣味の時間を持つ、リラックスできる入浴、軽い運動、瞑想など、ご自身に合ったストレス解消法を見つけ、積極的に取り入れましょう。
また、質の良い睡眠は体の回復に不可欠です。寝る前にカフェインやアルコールを控える、寝室の環境を整える、寝る前のスマートフォン操作を避けるなど、睡眠の質を高める工夫をしましょう。
5.4.4 適正体重の維持と食生活
体重が増えると、それだけ腰への負担も大きくなります。適正体重を維持することは、椎間板ヘルニアの予防や改善において非常に重要です。バランスの取れた食生活を心がけ、過剰な摂取を避けましょう。骨や筋肉の健康をサポートする栄養素(タンパク質、カルシウム、ビタミンDなど)を意識して摂ることも大切です。
また、喫煙は椎間板への血流を悪化させ、椎間板の変性を促進する可能性があると言われています。健康のためにも禁煙を検討することをおすすめします。
6. セルフケアで改善しない場合の対処法

自宅でのセルフケアは椎間板ヘルニアの痛みを和らげ、回復を促す上で非常に大切ですが、症状が改善しない場合や悪化する場合には、専門家による適切な診断と治療が不可欠です。ご自身の判断だけで無理をせず、専門機関への相談を検討することが重要になります。
6.1 専門家への相談を検討するタイミングと症状
セルフケアを続けても痛みが引かない、あるいは症状が悪化していると感じる場合は、速やかに専門家へ相談することを強くお勧めします。特に、以下のような症状が現れた場合は、放置せずに早急に専門機関を訪れることが大切です。
| 症状の種類 | 相談を検討する目安 |
| 痛みの悪化 | セルフケアを数日間続けても痛みが軽減しない、またはさらに強くなっている場合 |
| しびれの進行 | 手足のしびれが広がる、強くなる、または新たな部位にしびれが出現した場合 |
| 筋力低下 | 足に力が入らない、物が持てないなど、特定の筋肉の力が明らかに弱くなっている場合 |
| 排泄障害 | 尿が出にくい、便秘がひどくなるなど、排泄機能に異常を感じる場合(緊急性が高い症状です) |
| 感覚の異常 | 皮膚の感覚が鈍くなる、触られている感覚がわからないなどの症状がある場合 |
| 日常生活への支障 | 歩行が困難になる、座っているのが辛いなど、日常生活に著しい支障が出ている場合 |
これらの症状は、椎間板ヘルニアが進行している可能性や、他の病気が隠れている可能性を示唆しています。早期に専門家による正確な診断を受けることで、適切な治療方針が立てられ、症状の悪化を防ぐことにつながります。
6.2 専門家による一般的な治療アプローチ
専門機関では、椎間板ヘルニアの状態や症状の程度に応じて、様々な治療アプローチが検討されます。主な治療法は、保存療法と手術療法の二つに大別されますが、まずは保存療法から開始されることがほとんどです。
| 治療法の種類 | 概要 | 具体的なアプローチ |
| 保存療法 | 薬物療法 | 痛みを和らげたり、炎症を抑えたりするために、内服薬や外用薬を使用します。神経の炎症を抑える薬や、筋肉の緊張を和らげる薬などが用いられます。 |
| 理学療法・リハビリテーション | 専門家の指導のもと、個々の状態に合わせた運動療法や物理療法を行います。温熱療法、電気療法、牽引療法などが含まれ、体の機能回復と痛みの軽減を目指します。正しい体の動かし方や姿勢の指導も行われます。 | |
| 神経ブロック療法 | 痛みの原因となっている神経の近くに局所麻酔薬などを注入し、痛みを一時的に遮断する治療法です。強い痛みがある場合や、他の保存療法で効果が見られない場合に検討されることがあります。 | |
| 手術療法 | 椎間板ヘルニアによって神経が強く圧迫され、保存療法では改善が見られない場合や、排泄障害などの重篤な症状がある場合に検討されます。突出した椎間板の一部を切除するなど、様々な術式があります。 |
どの治療法が適切かは、症状の程度、ヘルニアの状態、患者さんのライフスタイルなどを総合的に判断して決定されます。専門家とよく相談し、ご自身に合った治療方針を見つけることが大切です。セルフケアと専門家による治療を組み合わせることで、より効果的な回復が期待できます。
7. まとめ
椎間板ヘルニアは、日々の姿勢や生活習慣が深く関わっています。しかし、適切なセルフケアを継続することで、痛みを和らげ、再発を防ぐことが可能です。ご紹介した正しい姿勢の意識、効果的なストレッチや体操、日常生活での工夫は、椎間板への負担を軽減し、症状の改善へと導く大切な一歩となるでしょう。無理のない範囲で実践し、ご自身の体と向き合う時間を大切にしてください。もし、セルフケアだけでは改善が見られない場合や、症状が悪化するようでしたら、迷わず専門医にご相談ください。何かお困りごとがありましたら、当院へお問い合わせください。
店舗情報

店舗名よつば整骨院/よつば整体院
代表髙橋 勇輝(たかはし ゆうき)
住所〒020-0851
岩手県盛岡市向中野7丁目1−36グレース向中野103
駐車場あり
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火·金·土曜は18時まで通し営業
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