
椎間板ヘルニアによる足のしびれは、多くの方が不安を感じる症状です。このしびれは一体いつ治るのか、その疑問に寄り添います。この記事では、足のしびれが起こるメカニズムから、症状が改善するまでの平均的な期間や目安を詳しく解説します。また、つらいしびれを早期に和らげるための具体的なセルフケアや生活習慣の改善策、専門家と連携したリハビリテーションの重要性もお伝えします。しびれを放置するリスクや、その他の症状への注意点も理解でき、安心して回復を目指すための情報が得られるでしょう。
1. 椎間板ヘルニアによる足のしびれ なぜ起こるのか

椎間板ヘルニアによる足のしびれは、多くの方が経験するつらい症状の一つです。このしびれがなぜ起こるのか、そのメカニズムと症状の種類を詳しく見ていきましょう。
1.1 足のしびれが起こるメカニズム
椎間板ヘルニアとは、背骨のクッション材である椎間板の一部が飛び出し、近くを通る神経を圧迫することで様々な症状を引き起こす状態を指します。
私たちの背骨は、椎骨と呼ばれる骨が積み重なってできており、その間に椎間板という軟骨組織が存在します。椎間板は中心にあるゼリー状の髄核と、それを囲む硬い線維輪で構成されています。加齢や負担の蓄積により線維輪が損傷すると、中の髄核が飛び出してしまうことがあります。
この飛び出した髄核が、背骨のすぐそばを通る神経(神経根)を直接圧迫したり、その周囲に炎症を引き起こしたりすることが、足のしびれの主な原因となります。神経が圧迫されると、神経の本来の働きが妨げられ、脳に正常な信号が伝わらなくなったり、誤った信号が送られたりすることで、しびれとして感じられるのです。
また、神経の圧迫や炎症によって、その神経が支配する領域への血流が悪くなることも、しびれを悪化させる要因となることがあります。
1.2 しびれの症状の種類と特徴
椎間板ヘルニアによる足のしびれは、その感じ方や現れる部位が人によって様々です。大きく分けて、感覚の異常として現れるしびれと、運動機能の低下として現れるしびれがあります。
具体的な症状の種類と特徴は以下の通りです。
症状の種類 | 特徴的な感覚・状態 | 現れやすい部位 |
感覚性のしびれ | ピリピリ、ジンジン、チクチクとした電気のような感覚皮膚に虫が這っているようなムズムズ感触られているのに感覚が鈍い、麻痺しているような感覚(感覚鈍麻)冷たいものや熱いものに対する感覚が鈍くなる | お尻から太ももの裏側、ふくらはぎ、足の甲や裏、つま先など圧迫されている神経の通り道に沿って現れます |
運動性のしびれ(脱力感) | 足に力が入らない、踏ん張りがきかない足首が持ち上がりにくい(下垂足)つま先が引っかかりやすいつまずく歩行時に足が思うように動かせない | 足全体、特に足首や足の指に現れることが多いです筋肉の働きを司る神経が影響を受けている場合に起こります |
これらのしびれは、安静にしている時よりも、特定の姿勢をとったり、長時間立ったり座ったりすることで悪化する傾向があります。また、しびれだけでなく、鋭い痛み(坐骨神経痛など)や筋力の低下を伴うことも少なくありません。しびれの感じ方や強さは、神経の圧迫の程度や炎症の有無によって大きく異なります。
2. 椎間板ヘルニアによる足のしびれ いつ治る?平均的な治療期間

椎間板ヘルニアによる足のしびれは、多くの方が経験されるつらい症状です。このしびれがいつまで続くのか、どれくらいの期間で改善するのかは、症状の程度や個人の状態によって大きく異なります。ここでは、足のしびれが治るまでの平均的な期間や、症状の進行度合いによる目安について詳しく解説します。
2.1 自然治癒の可能性と期間
椎間板ヘルニアによる足のしびれは、必ずしも手術が必要となるわけではありません。実際には、多くのケースで保存療法によって自然に改善する可能性を秘めています。これは、飛び出した椎間板の一部が時間とともに炎症が治まり、体内に吸収されていく「自然寛解」と呼ばれる現象によるものです。
自然治癒にかかる期間は、症状の軽重によって異なりますが、一般的には数週間から数ヶ月が目安とされています。特に、しびれが発症してから比較的早い段階であれば、安静にしたり、適切なセルフケアを行ったりすることで、症状が徐々に和らぐことが期待できます。しかし、すべての方が自然治癒するわけではないため、症状が続く場合は専門家による適切な判断が必要です。
2.2 症状の程度別 足のしびれが治るまでの目安
足のしびれが治るまでの期間は、その症状の程度によって大きく変わります。ご自身のしびれがどの程度のものなのかを把握することで、回復までの目安をより具体的にイメージしやすくなります。
症状の程度 | 治療期間の目安 | 特徴と注意点 |
軽度の場合 | 数日から数週間 | しびれが一時的で、特定の姿勢や動作で感じる程度。日常生活への影響は少ないですが、無理をすると悪化する可能性があります。適切な安静やセルフケアで早期改善が期待できます。 |
中度の場合 | 数週間から3ヶ月程度 | しびれが持続的で、日常生活に支障をきたすことがあります。痛みや感覚の鈍化を伴うこともあります。保存療法が中心となり、リハビリテーションも併用されます。 |
重度の場合 | 数ヶ月以上、または手術後の回復期間 | しびれが非常に強く、足に力が入らない、歩行が困難といった運動麻痺を伴うことがあります。排泄に関する障害(膀胱直腸障害)が生じることもあります。保存療法での改善が難しい場合、手術が検討されることがあります。 |
2.2.1 軽度の場合
軽度の足のしびれは、数日から数週間で改善することが多いです。これは、椎間板の炎症が比較的軽度であるか、神経への圧迫が一時的な場合に多く見られます。無理な姿勢や動作を避け、安静を保つことで、自然に症状が和らぐことが期待できます。しかし、軽度であっても放置せずに、専門家のアドバイスを求めることが大切です。
2.2.2 中度の場合
中度の足のしびれは、数週間から3ヶ月程度の期間を要することが一般的です。この段階では、しびれが持続的で、日常生活にも影響が出始めることがあります。保存療法が中心となり、痛みを和らげるためのケアや、神経の回復を促すためのリハビリテーションが重要になります。焦らず、段階的に回復を目指すことが大切です。
2.2.3 重度の場合
重度の足のしびれは、数ヶ月以上にわたる長期的な治療が必要になることがあります。特に、足に力が入らないといった運動麻痺や、排泄に関する障害(膀胱直腸障害)を伴う場合は、緊急性の高い症状と判断されることもあります。この場合、保存療法だけでは改善が難しいと判断され、手術が検討されることがあります。手術後の回復期間も考慮すると、数ヶ月から半年、あるいはそれ以上の期間を要する場合もあります。
2.3 手術が必要なケースと回復期間
椎間板ヘルニアによる足のしびれは、多くの場合保存療法で改善しますが、特定の状況下では手術が検討されます。手術が必要となるのは、主に以下のようなケースです。
- 保存療法を数ヶ月続けても、しびれや痛みが改善しない場合
- 足の力が著しく低下する進行性の運動麻痺がある場合
- 排泄に関する機能に障害(膀胱直腸障害)が生じた場合
これらの症状は、神経が強く圧迫され続けているサインであり、放置すると不可逆的なダメージにつながる可能性があるため、手術による早期の神経圧迫の解除が望ましいと判断されます。
手術後の回復期間は、手術の種類や個人の状態によって異なりますが、一般的には以下のようになります。
- 術後早期(数日~数週間):しびれや痛みが軽減し始める時期です。安静を保ちつつ、無理のない範囲で日常生活動作を再開します。
- 本格的な回復期(1ヶ月~3ヶ月):リハビリテーションが本格的に始まり、徐々に身体機能を回復させていきます。しびれが完全に消失するまでには、時間がかかることもあります。
- 完全な回復と再発予防(3ヶ月~半年以上):日常生活に支障がないレベルまで回復することを目指します。再発予防のための姿勢や動作の改善、適切な運動習慣の確立が重要になります。
手術は根本的な解決策となることが多いですが、術後も適切なケアとリハビリテーションを継続することが、しびれの改善と再発予防には不可欠です。
3. 椎間板ヘルニアの足のしびれを早期改善するためのヒント

椎間板ヘルニアによる足のしびれを早期に改善するためには、多角的なアプローチと継続的なケアが非常に重要です。ご自身の状態を正しく理解し、専門家のサポートを受けながら、日常生活での工夫を積極的に取り入れることが回復への近道となります。
3.1 専門家による適切な診断と治療
足のしびれの原因が椎間板ヘルニアであると確定するためには、専門家による正確な診断が不可欠です。診断に基づき、症状の程度や生活スタイルに合わせた最適な治療計画が立てられます。自己判断で対処するのではなく、まずは専門家の意見を聞くことから始めましょう。
3.1.1 保存療法の種類と効果
椎間板ヘルニアによる足のしびれに対する治療の多くは、手術をしない保存療法から開始されます。保存療法は、身体への負担が少なく、自然治癒力を高めることを目的としています。
保存療法の種類 | 主な目的と効果 |
薬物療法 | 痛みや炎症を抑え、しびれの軽減を図ります。神経の興奮を鎮める薬などが用いられることもあります。 |
物理療法 | 温熱療法、電気療法、牽引療法などを用いて、血行促進、筋肉の緊張緩和、痛みの軽減を目指します。 |
装具療法 | コルセットなどの装具を使用し、腰椎の安定性を高め、患部への負担を軽減することで、回復を促します。 |
神経ブロック療法 | 神経の炎症や興奮を抑えるために、局所麻酔薬などを神経の周囲に注入することで、強い痛みやしびれを一時的に緩和します。 |
これらの保存療法は、単独で行われることもありますが、多くの場合、組み合わせて行われることでより高い効果が期待できます。症状の改善度合いを見ながら、専門家と相談し、適切な治療法を選択していくことが大切です。
3.1.2 手術療法の選択肢とメリット・デメリット
保存療法を続けても症状が改善しない場合や、足の筋力低下が進行している、排泄機能に障害が出ているなど、重篤な症状がある場合には、手術療法が検討されます。手術は、神経への圧迫を直接取り除くことで、根本的な症状の改善を目指します。
手術のメリットとしては、早期に痛みやしびれが改善される可能性が高いことや、日常生活への早期復帰が期待できる点が挙げられます。しかし、デメリットとして、身体への負担があること、稀に合併症のリスクがあること、そして全ての症状が完全に消失するわけではないことなどを理解しておく必要があります。手術を選択する際は、専門家から十分な説明を受け、ご自身の状態とリスクを十分に検討することが重要です。
3.2 自宅でできるセルフケアと生活習慣の改善
専門家による治療と並行して、日常生活におけるセルフケアと生活習慣の改善は、足のしびれの早期改善と再発予防に大きく貢献します。日々の意識が、回復の速度と質を高めます。
3.2.1 痛みを悪化させない姿勢と動作の工夫
椎間板ヘルニアによるしびれを悪化させないためには、腰に負担をかけない姿勢や動作を心がけることが非常に重要です。
- 座る姿勢: 深く腰掛け、背もたれにしっかりともたれかかり、腰が丸くならないように意識します。長時間同じ姿勢で座り続けないよう、こまめに立ち上がって軽いストレッチを行うと良いでしょう。
- 立つ姿勢: 背筋を伸ばし、顎を軽く引いて、お腹を少し引き締めるように意識します。片足に重心をかけすぎないように注意し、長時間の立ち仕事の場合は、片足を台に乗せるなどして負担を分散させましょう。
- 寝る姿勢: 仰向けで寝る場合は、膝の下にクッションや丸めたタオルを置いて、腰の反りを緩やかにすると楽になることがあります。横向きで寝る場合は、膝を軽く曲げ、膝の間にクッションを挟むと安定します。
- 物を持ち上げる動作: 腰をかがめて持ち上げるのではなく、膝を曲げてしゃがみ込み、荷物を身体に近づけてから、膝と股関節の力を使って立ち上がるようにします。重いものを持つ際は、無理をせず、誰かに手伝ってもらうか、分割して運ぶようにしましょう。
これらの工夫は、日々の小さな積み重ねが大切です。意識的に正しい姿勢や動作を習慣化することで、腰への負担を軽減し、しびれの悪化を防ぐことができます。
3.2.2 適切な運動とストレッチ
適切な運動とストレッチは、腰回りの筋肉を強化し、柔軟性を高めることで、椎間板への負担を軽減し、神経の圧迫を和らげる効果が期待できます。ただし、痛みがある場合は無理をせず、専門家の指導のもとで行うことが重要です。
- 体幹を支える運動: 腹筋や背筋といった体幹の筋肉を鍛えることで、腰椎の安定性が向上し、椎間板への負担が軽減されます。例えば、仰向けに寝てお腹をへこませるドローインなど、無理のない範囲で始められるものから取り入れましょう。
- 股関節や太ももの裏のストレッチ: これらの部位の筋肉が硬いと、骨盤の動きが制限され、腰に余計な負担がかかることがあります。ゆっくりと筋肉を伸ばすストレッチを行うことで、柔軟性を高め、腰への負担を軽減します。
- ウォーキング: 適度なウォーキングは、全身の血行を促進し、筋肉を活性化させます。ただし、痛みが強くなる場合はすぐに中止し、無理のない範囲で距離や時間を調整してください。
運動やストレッチは、継続することが最も重要です。毎日少しずつでも良いので、習慣として取り入れることを目指しましょう。痛みを感じる場合は、すぐに中止し、専門家に相談してください。
3.2.3 日常生活での注意点と再発予防
椎間板ヘルニアの足のしびれを早期に改善し、再発を防ぐためには、日常生活全体を見直すことが大切です。
- 身体を冷やさない: 身体が冷えると筋肉が硬くなり、血行が悪化して痛みが悪化することがあります。特に腰や足元は、夏場でも冷房などで冷やさないように注意し、温かい服装や湯船に浸かるなどして温めるようにしましょう。
- 体重管理: 適正体重を維持することは、腰への負担を軽減し、椎間板ヘルニアの悪化や再発を防ぐ上で非常に重要です。バランスの取れた食事を心がけ、過度な体重増加を防ぎましょう。
- 十分な睡眠と休息: 睡眠中に身体は回復します。十分な睡眠時間を確保し、疲労をため込まないようにしましょう。また、日中も適度な休憩を取り入れ、身体を休ませることが大切です。
- ストレス管理: ストレスは、筋肉の緊張を高め、痛みを増強させることがあります。趣味やリラックスできる時間を持つなど、自分なりのストレス解消法を見つけることが重要です。
これらの日常生活での注意点を守ることで、身体全体の調子を整え、しびれの改善だけでなく、健康的な生活を送ることにも繋がります。
3.3 専門家と連携したリハビリテーション
足のしびれが改善した後も、専門家と連携したリハビリテーションを継続することは、再発予防と身体機能の維持・向上に不可欠です。リハビリテーションでは、個々の身体の状態や生活スタイルに合わせて、専門的な指導のもとで運動療法や物理療法が行われます。
例えば、姿勢の矯正、体幹の強化、柔軟性の向上、正しい動作の習得などを目的としたプログラムが組まれます。これにより、日常生活での腰への負担を最小限に抑え、再発のリスクを減らすことができます。また、リハビリテーションを通じて、ご自身の身体への理解を深め、痛みやしびれが発生した際の対処法を学ぶこともできます。専門家との定期的な連携を通じて、長期的な視点で身体のケアを続けていくことが、椎間板ヘルニアによる足のしびれと上手に付き合い、快適な生活を送るための鍵となります。
4. 椎間板ヘルニアの足のしびれ 放置するとどうなる?

椎間板ヘルニアによる足のしびれは、多くの場合、適切な対処によって改善が期待できます。しかし、しびれの症状を放置すると、神経への圧迫が続き、さまざまな深刻な問題を引き起こす可能性があります。ここでは、放置した場合に起こりうるリスクについて詳しくご説明します。
4.1 神経症状の進行と不可逆的な変化
足のしびれは、神経が圧迫されているサインです。この圧迫が長期間続くと、神経そのものに損傷が生じ、症状が進行する恐れがあります。一度神経が損傷してしまうと、その回復には時間がかかったり、場合によっては完全に回復しない不可逆的な状態になることもあります。
4.1.1 感覚麻痺の進行
初期のしびれはピリピリとした感覚やジンジンとした違和感として現れることが多いですが、放置すると感覚が鈍くなったり、触っている感覚が全くなくなったりする感覚麻痺へと進行することがあります。これにより、足元の感覚が掴みにくくなり、転倒のリスクが高まることも考えられます。
4.1.2 運動麻痺と筋力低下
神経の圧迫がさらに強くなると、足の筋肉を動かす神経にも影響が及び、筋力低下や運動麻痺が生じることがあります。具体的には、足首が上がりにくくなる「下垂足」や、つま先立ち・かかと立ちが困難になる、足指が動かせないといった症状が現れることがあります。これにより、歩行が不安定になったり、日常生活での動作に大きな支障が出たりする可能性があります。
4.2 重篤な合併症:膀胱直腸障害
椎間板ヘルニアによる神経の圧迫が、脊髄の末端にある「馬尾神経」と呼ばれる部分にまで及ぶと、膀胱直腸障害という重篤な合併症を引き起こすことがあります。これは、排尿や排便の機能が障害される状態を指します。
具体的な症状としては、排尿が困難になる、頻繁に尿意を感じるのに少量しか出ない、逆に尿意を感じないまま尿が漏れてしまう尿失禁、また便秘がひどくなる、便意を感じずに便が漏れてしまう便失禁などが挙げられます。これらの症状は、日常生活に深刻な影響を及ぼすだけでなく、緊急性の高い状態であり、速やかな対処が必要です。
4.3 日常生活への影響と精神的負担
しびれや痛み、筋力低下などの症状が慢性化すると、日常生活のあらゆる場面で支障が生じます。長時間の立ち仕事や座り仕事が困難になったり、趣味や運動を諦めざるを得なくなったりすることもあります。活動範囲が狭まることで、生活の質が著しく低下してしまうでしょう。
また、慢性的な痛みやしびれは、精神的なストレスを増大させます。睡眠不足や不安感、抑うつ状態に陥ることもあり、心身ともに疲弊してしまうケースも少なくありません。このような状態は、さらなる症状の悪化を招く悪循環につながる可能性もあります。
4.4 慢性化と治療の困難さ
椎間板ヘルニアによる足のしびれを放置し、神経への圧迫が長期間続くと、神経が変性したり、周囲の組織が癒着したりすることがあります。これにより、しびれが慢性化し、一度そうなってしまうと、その後の対処がより困難になる場合があります。早期に適切な対処を行うことで、症状の悪化を防ぎ、よりスムーズな改善を目指すことが重要です。
放置による主なリスク | 具体的な症状の進行と結果 |
神経損傷の進行 | しびれの範囲が拡大し、感覚の鈍麻や消失が起こります。 |
運動機能の障害 | 筋力低下が悪化し、歩行困難や転倒リスクが増加します。足指や足首の動きに制限が生じることもあります。 |
膀胱直腸機能の障害 | 排尿困難、頻尿、尿失禁、また便秘や便失禁といった深刻な症状が現れることがあります。 |
慢性的な痛みとしびれ | 日常生活への継続的な支障が生じ、精神的なストレスが大幅に増大します。 |
5. 足のしびれ以外の症状にも注意が必要

椎間板ヘルニアは、足のしびれが代表的な症状として知られていますが、実はそれ以外にも様々な症状を引き起こす可能性があります。神経の圧迫が進行すると、しびれだけでなく、日常生活に大きな影響を与える異変が現れることがあります。これらの症状を見逃さず、早期に気づくことが大切です。
5.1 主な随伴症状とその特徴
椎間板ヘルニアによって神経が圧迫されると、しびれ以外にも以下のような症状が現れることがあります。これらの症状は、圧迫されている神経の種類や程度によって異なります。
5.1.1 痛み(腰痛、坐骨神経痛など)
椎間板ヘルニアで最も多くの人が経験する症状の一つが痛みです。腰の痛みに加えて、お尻から太ももの裏、ふくらはぎ、足先にかけて放散する痛みを伴うことがあります。これは坐骨神経痛と呼ばれ、神経の走行に沿って現れる特徴があります。痛みは、電気が走るような鋭い痛みや、重だるい鈍痛、灼熱感など、様々な形で感じられます。特定の姿勢や動作、例えば長時間座っていたり、咳やくしゃみをしたりすることで痛みが強くなることもあります。
5.1.2 筋力低下・運動麻痺
神経の圧迫が進行すると、足の筋力が低下したり、動かしにくくなったりする運動麻痺の症状が現れることがあります。具体的には、足首が上がりにくくなる「下垂足」と呼ばれる状態になり、つま先が引っかかって転びやすくなったり、つま先立ちが難しくなったりすることがあります。また、足全体に力が入らないと感じ、階段の昇り降りや歩行が困難になるケースも見られます。筋力低下は、日常生活の動作に大きな支障をきたすため、注意が必要です。
5.1.3 感覚障害(感覚鈍麻、異常感覚)
しびれと密接に関連する症状として、皮膚の感覚が鈍くなる感覚鈍麻があります。触られているのに感覚が薄い、冷たい・熱いといった温度を感じにくい、といった状態です。また、ピリピリ、チクチクといった不快な感覚や、皮膚が常に焼けるように熱いと感じる灼熱感など、異常な感覚を訴える方もいらっしゃいます。これらの感覚障害は、神経が正常に情報を伝達できていないサインです。
5.1.4 膀胱直腸障害(排尿・排便の異常)
椎間板ヘルニアの症状の中で、最も緊急性が高いとされるのが膀胱直腸障害です。これは、脊髄の末端にある馬尾神経が強く圧迫されることで起こります。具体的な症状としては、尿が出にくい(尿閉)、尿意を感じにくい、尿が漏れてしまう(尿失禁)、便が出にくい、便が漏れてしまう(便失禁)などが挙げられます。また、会陰部(股間から肛門にかけての範囲)にしびれや感覚の鈍さを感じることもあります。これらの症状が現れた場合は、速やかに専門家へ相談する必要があります。
症状の種類 | 主な特徴 | 緊急度 |
痛み(腰痛、坐骨神経痛) | 腰からお尻、下肢への放散痛、特定の動作で悪化 | 中 |
筋力低下・運動麻痺 | 足に力が入らない、つまづきやすい、下垂足など | 高 |
感覚障害(感覚鈍麻、異常感覚) | 皮膚の感覚が鈍い、ピリピリ、灼熱感など | 中 |
膀胱直腸障害 | 排尿・排便の困難や失禁、会陰部のしびれ | 最緊急 |
5.2 これらの症状に気づいたら
足のしびれだけでなく、上記のような症状に気づいた場合は、決して放置しないことが重要です。
5.2.1 放置することのリスク
椎間板ヘルニアの症状を放置すると、神経の圧迫がさらに進行し、症状が悪化する可能性があります。特に筋力低下や感覚障害、そして膀胱直腸障害は、放置すると不可逆的な神経の損傷につながり、回復が難しくなる恐れがあります。日常生活の質が著しく低下するだけでなく、後遺症として残ってしまうリスクも高まります。
5.2.2 専門家への相談の重要性
しびれ以外の症状、特に筋力低下や排尿・排便の異常に気づいた場合は、できるだけ早く専門家へ相談することが大切です。早期に適切な診断を受け、必要な対応を開始することで、症状の悪化を防ぎ、より良い回復を目指せる可能性が高まります。自身の体の変化に敏感になり、少しでも異変を感じたら、ためらわずに専門家の意見を求めるようにしてください。
6. まとめ
椎間板ヘルニアによる足のしびれは、日常生活に大きな影響を与え、いつ治るのか不安を感じる方も少なくありません。このしびれは、神経への圧迫が原因で起こり、その改善には個人差がありますが、多くの場合、保存療法で数週間から数ヶ月が目安となります。早期改善のためには、まず専門医による正確な診断が不可欠です。適切な保存療法や、ご自宅でできるセルフケア、そして専門家と連携したリハビリテーションを継続することが非常に重要です。症状を放置すると悪化するリスクもありますので、決して諦めず、ご自身の状態に合わせた治療に積極的に取り組んでください。何かお困りごとがありましたら当院へお問い合わせください。
店舗情報

店舗名よつば整骨院/よつば整体院
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