カラダの成長や細胞の再生に関わるビタミンB2(別名 リボフラビン)についての説明と摂取量や不足するリスクや、ビタミンB2を多く含む食べ物をランキング形式で解説していきます。
ビタミンB2について
リボフラビンという物質名を持つビタミンB2は、水溶性のビタミンです。水溶性とは、水に溶けやすい性質です。黄色色素で、栄養ドリンクを飲むと尿が黄色くなるのはこのビタミンの色の為です。ビタミンのイエローのイメージカラーは、ビタミンB2から来ています。
レバーやうなぎ、チーズ、卵、納豆、モロヘイヤなどに多く含まれます。
水溶性であるビタミンB2は、尿と一緒に体外に排出されやすい栄養です。つまり体内にとどまりにくい性質であるため、過剰摂取のリスクはほとんどありません。意識してこまめに補給することが大切です。
ビタミンB2の働き
ビタミンB2は、ほぼすべての栄養の代謝にかかわります。
ビタミンB2は成長の促進に欠かせない栄養素です。たんぱく質の合成にも関わり皮膚・爪・髪の健康にかかわることから「美容のビタミン」、子供の発育や細胞の再生に関係するため「発育のビタミン」などと呼ばれます。そのため、もしビタミンB2が不足すると皮膚・爪・髪などのトラブルが起こりやすくなります。
そのほか脂質をエネルギーに変える重要な働きが脂質の代謝です。脂質代謝とは、簡単に言えば脂質をエネルギーに変換する仕組みです。
そのため、エネルギーの消費量が多い運動をする方や妊娠中から産後、脂っこい食事をよく摂る方なども、ビタミンB2の積極的な摂取が推奨されています。ダイエット中や高脂血症などの方は意識して摂取したい栄養素です。
もちろん糖質の代謝にも関わっている重要な栄養素です。
ビタミンB2の1日あたりの摂取量
ビタミンB2の上限量は特に設けられておらず、通常の食事では過剰となることで健康を害する例はありません。ビタミンB2は前述のとおり水溶性のビタミンです。過剰になるとすぐにおしっことして体の中から出ていくため、影響を受けにくいとされています。
ビタミンB2の必要量または目安量は以下のとおりです。
ビタミンB2の食事摂取基準(㎎/日)
性別 | 男性 | 女性 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
年齢等 | 推定平均必要量 | 推奨量 | 目安量 | 推定平均必要量 | 推奨量 | 目安量 |
0~5カ月 | - | - | 0.3 | - | - | 0.3 |
6~11カ月 | - | - | 0.4 | - | - | 0.4 |
1~2歳 | 0.5 | 0.6 | - | 0.5 | 0.5 | - |
3~5歳 | 0.7 | 0.8 | - | 0.6 | 0.8 | - |
6~7歳 | 0.8 | 0.9 | - | 0.7 | 0.9 | - |
8~9歳 | 0.9 | 1.1 | - | 0.9 | 1.0 | - |
10~11歳 | 1.1 | 1.4 | - | 1.0 | 1.3 | - |
12~14歳 | 1.3 | 1.6 | - | 1.2 | 1.4 | - |
15~17歳 | 1.4 | 1.7 | - | 1.2 | 1.4 | - |
18~29歳 | 1.3 | 1.6 | - | 1.0 | 1.2 | - |
30~49歳 | 1.3 | 1.6 | - | 1.0 | 1.2 | - |
50~64歳 | 1.2 | 1.5 | - | 1.0 | 1.2 | - |
65~74歳 | 1.2 | 1.5 | - | 1.0 | 1.2 | |
75歳以上 | 1.1 | 1.3 | - | 0.9 | 1.0 | - |
妊婦 | +0.2 | +0.3 | - | |||
授乳婦 | +0.5 | +0.6 | - |
※1歳未満は目安量
※推奨量:ある性・年齢階級に属する人々のほとんど(97~98%)が1日の必要量を満たすと推定される1日の摂取量
※目安量:推定平均必要量・推奨量を算定するのに十分な科学的根拠が得られない場合に、ある性・年齢階級に属する人々が、良好な栄養状態を維持するのに十分な量
※上限量:ある性・年齢階級に属するほとんどすべての人々が、過剰摂取による健康障害を起こすことのない栄養素摂取量の最大限の量
引用:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」策定検討会「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
ビタミンB2の不足により起こること
ビタミンB2は皮膚や粘膜の機能を正常に保つことに関係していますので、不足すると口内炎、口角炎、舌炎、脂漏性皮膚炎、角膜炎などを起こします。
また、成長期の子どもの場合は、ビタミンB2が不足すると成長障害を起こします。
これらの多くは、甘いもの(糖質)のとり過ぎによって、糖質を代謝するビタミンB2が不足することで起こります。東日本では「ささくれ」、西日本では「さかむけ」と呼ばれる指先の皮膚が部分的にめくれて痛くなる現象もビタミンB2の不足により起こることが多いです。
日本のインスタントメーカーはこれらの起こりやすい現象に考慮して、ビタミンB1やビタミンB2が0.2mg〜0.5mgほど添加されている商品をみかけます。
また、成長期の子どもの場合は、ビタミンB2が不足すると成長障害を起こします。
ビタミンB2を多く含む食べ物ランキング ベスト10
文部科学省の食品成分データベースより、ビタミンB2が豊富な食べ物を「肉・魚」「野菜・果物」「穀物・豆」「その他」に分けてランキング形式でご紹介します。
ビタミンB2をしっかり摂取して、たんぱく質の合成、脂質の代謝、糖質の代謝を効率的に働かせてダイエットにも役立てましょう!
- 1位:鮭・マス ……6.38mg
- 2位:豚スモークレバー …… 5.17mg
- 3位:パン酵母(乾)……3.72mg
- 4位:豚レバー 肝臓(生)……3.60mg
- 5位:牛レバー(生)……3.00mg
- 6位:あまのり/干のり……2.68mg
- 7位:即席みそ(粉末)……2.58mg
- 8位:チーズホエイパウダー……2.35mg
- 9位:焼きのり ……2.33mg
- 10位:味付けのり……2.31mg
まとめ
ビタミンB2はたんぱく質の合成、脂質の代謝、糖の質代謝などといった三大栄養素に幅広く関わっています。
成長期の子供も、甘いもの(糖質)や脂っこいものをよく食べる方も ビタミンB2の積極的な摂取が重要です。ダイエット中や高脂血症などの方は意識して摂取したい栄養素です。
「ささくれ」や「さかむけ」、「口内炎」がある方はすぐにでも取り入れたいのがビタミンB2です。
過剰摂取による心配がほとんどないため、毎日こまめに取り入れたい栄養素です。
厚生労働省「日本人の食事摂取基準」策定検討会「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
NHK出版 健やかな毎日のための栄養大全
[監修] 上西 一弘 [監修] 藤井 義晴 [監修] 吉田 宗弘
引用した参考サイトや書籍