三大栄養素のバランス(PFCバランス)にSwitch on!

PFCとはProtein(たんぱく質)、Fat(脂質)Carbohydrate(炭水化物)の頭文字をとり、このエネルギー産生栄養素の摂取比率のことをPFC比率といいます。食事の栄養素の取り方のとても重要になるのが、PFCバランスです。今回は、このPFCについて解説していきます。

【P】たんぱく質について

たんぱく質は、筋肉はもちろんお肌、髪の毛など、カラダのあらゆる組織の構成材料になります。アミノ酸という言葉もよく聞くかと思いますが、たんぱく質は、20種類のアミノ酸の組み合わせによって作られています。
たんぱく質が足りなくなると筋力低下はもちろん、免疫力が落ちたり、体力や思考力が低下してしまいます。反対に、摂りすぎると腎臓などに負担がかかってしまうのも事実です。

【多く含む食品】肉、魚、卵、大豆など

【F】脂質について

脂質と聞くとダイエットの敵という感じがしますが、脂質は大切な栄養素の1つです。
皮膚や細胞膜の成分になったり、ホルモンの構成成分、ビタミンの吸収を助ける役割もあるので身体には欠かせない栄養素であり、エネルギー産生栄養素です。摂りすぎると皮下脂肪や内臓脂肪になりますが、不足しても血管が弱くなったり、肌荒れを起こしやすくなったり、空腹になりやすくなるなど、悪循環になるので上手に取っていきたい栄養素です。

【多く含む食品】チーズなどの乳製品、油脂類、種実類など 

【C】炭水化物(糖質)について

炭水化物は大きく分けて「糖質」「食物繊維」の2種類があります。食物繊維は人間の身体で消化吸収できない栄養素ですが、排泄や腸の働きをよくするのに非常に大切な栄養素です。PFCバランスで考えなければならない炭水化物は「糖質」の方で、理想のPFCバランスでも一番の比率の栄養源です。
摂りすぎが続くと体内で脂肪になりますが、不足するとエネルギー不足によって疲労感があったり、筋肉量が減って代謝が落ちてしまったり、こちらも悪循環になるので上手に取っていきたい栄養素です。

【多く含む食品】ごはん、パン、麺類、糖類、穀類など

PFCのエネルギー量

P】たんぱく質:1gあたり4kcal

F】脂質:1gあたり9kcal

【C】糖質:1gあたり4kcal

※人間が活動するために必要なエネルギー量が『カロリー』と呼ばれます。本来は、熱量を表す単位です。人は食品から摂取したエネルギーは、最終的に熱として体外に排出されるため、熱量を表す単位が用いられます。

PFCの理想バランス

こちらが、PFCの理想バランスです。

P】たんぱく質 15%(13%〜20%)

【F】脂質 25%(20-30%)

【C】糖質 60%(50-65%)

( )内は範囲を示しています。

例えば、1日に2000kcalを摂取する場合、300kcalをタンパク質から、500kcalを脂質から、1200kcalを炭水化物(糖質)から摂取します。

さらに重量【g】に換算すると、たんぱく質75g、脂質55g、炭水化物(糖質)300gです。

PFCのバランスが崩れると何がおこる?

では、上記にある理想PFCバランスから大きく崩れるとどんなことが起こり得るのでしょうか。

比較的良好とも言える日本の現代の食事情では、意識した食事制限を行わない限り、深刻な欠乏による症状は現れにくいと考えられています。

しかし、体型変化を期待して、特定の栄養素を必要以上に増やしたり減らしたりすることは、体の不調を訴えることになりかねません。

  • 筋肉量を増やす目的でタンパク質摂取量を増やしていたつもりが、炭水化物や脂質の摂りすぎにつながり、体脂肪が増える原因になる
  • 減量のつもりで炭水化物や脂質を減らしていると、同時にタンパク質量も必要量摂取できず、パフォーマンスが下がる。
  • ダイエットのつもりで数年、脂質を制限していたら婦人科系の疾患や甲状腺の疾患等になってしまった。

など、一つの栄養素をコントロールしているつもりが、結果的にエネルギー産生栄養素のバランスを崩してしまう場合が多いのです。

他にも、アスリートや現在ケガやカラダの不調がある方は、筋肉やカラダの組織の材料となるたんぱく質の摂取を重要視する場合がよくあります。同時に運動するときのエネルギー源となる炭水化物(糖質)や脂質の補給が足りなければ、たんぱく質の分解につながってしまい、目的に反することとなってしまいます。

このようなことにならないためにも、一つの栄養素に注目するのではなく、エネルギー産生栄養素(PFC)のバランスに気をつけましょう。

1日に必要なカロリー数の計算方法

性別・身体活動レベルなどで決まるバランスを整えるためには、1日に必要なカロリー量を求めます。1日に必要なカロリー量は以下の計算式で求められます。

● 1日に必要なカロリー量=基礎代謝量×体重×身体活動レベル

※基礎代謝の量は性別によって変わり、身体活動レベルによってエネルギーの必要量は変わります。

基礎代謝量(kcal/kg体重/日)

18~29歳30~49歳50~69歳
男性24.022.321.5
女性22.121.720.7

● 身体活動レベル

身体活動レベル目安係数
レベルⅠ生活の大部分が座位で、静的な活動が中心の場合1.50
レベルⅡ座位中心の仕事だが、職場内での移動や立位での作業・接客等、あるいは通勤・買物・家事、軽いスポーツ等のいずれかを含む場合1.75
レベルⅢ移動や立位の多い仕事への従事者。あるいは、スポーツなど余暇における活発な運動習慣をもっている場合2.00

※参考:日本医師会​​​​​​​

【例1】20歳の女性、体重50kg、身体活動レベルⅠ(デスクワーク/運動習慣なし)の人の1日に必要カロリー量は以下の通りです。

◎基礎代謝量(22.1)×体重(50)×身体活動レベルⅠ(1.5)=1,657.5kcal

【例2】30歳の男性、体重60kg、身体活動レベルⅡ(軽度活動量)の人の1日に必要カロリー量は以下の通りです。

◎基礎代謝量(22.3)×体重(60)×身体活動レベルⅡ(1.75)=2,341.5kcal

【例3】20歳の男性、体重60kg、身体活動レベルⅢ(活発な運動習慣あり)の人の1日に必要カロリー量は以下の通りです。

◎基礎代謝量(24.0)×体重(60)×身体活動レベルⅢ(2.0)=2,880kcal

1日のカロリー量とPFCの数値化(計算式)

1日のカロリー量を求めた後は、それぞれの割合をかけてグラム数を求めます。
※たんぱく質15%、脂質25%、炭水化物60%で計算

【例1】20歳の女性、体重50kg、身体活動レベルⅠ(デスクワーク/運動習慣なし)の人の1日に必要カロリー量は、1,657.5kcalです。

  • たんぱく質:1,657.5×15%÷‬4kcal. =1日あたり約62g
  • 脂質:1,657.5kcal×25%÷‬9kcal. =1日あたり約46g
  • 炭水化物:1,657.5kcal×60%÷4kcal. =1日あたり約248.6g

このように1日に必要なグラム数が分かれば、バランスが取れた食事を実現しやすくなります。

遺伝子検査で体質を知ると、PFCの取り方がわかります

遺伝子検査は、遺伝子の持つ情報を解析することで、生まれ持った病気のなりやすさや体質などを知ることができる検査です。”体質検査”や”DNA検査”と呼ぶこともあります。

遺伝子検査はこの10年近くでDNAの解析技術が急速に発展し、分析にかかる費用が下がると共に、短時間で行えるようになりました。
また、血液ではなく口腔壁の組織や唾液でも簡単に遺伝子を調べられることから、新しい病気の予防法として身近な検査となりました。

唾液を採取している写真の画像

遺伝子と生活習慣の双方の影響で、体型の特徴ケガ・不調病気の発症の有無やその程度が決まると言われています。病気を未然に防ぐためには、検査で自分の「遺伝型」を知って、遺伝子的になりやすい体型、かかりやすい病気の傾向を学び、病気にかからないために生活習慣の改善を行うことが重要であると言えます。

残念ながらその遺伝子は私たちの力で変えることはできません。

遺伝子検査の結果でリスクが高いからといって、必ず何かを発症するというわけではありません。環境要因に含まれる生活習慣や食習慣、ご自身に合ったPFCバランスを心がけることで様々なリスクを軽減できる可能性は高いとする研究もあります。

当院でも、遺伝子検査を受けれるようになりました。ダイエット、ウェイトアップなどの体質改善や健康意識の高い方、スポーツをされている学生さん、お子さんの体質改善など幅広い年齢層の方々に大好評です。

遺伝子検査での情報を元にご自身の現在の健康状態と向き合い、未来の健康を考えるひとつのきっかけになれば幸いです。

実際に遺伝子検査を受けてみました

私の遺伝子検査結果を簡単にご紹介します。今回はその中でも、太りやすさやダイエットの項目に関して解説していきます。

P:たんぱく質(筋肉のつきやすさ)

たんぱく質の代謝に関する遺伝的な筋肉のつきにくさは、『レベル2』です。筋肉がつきにくいという事は、糖質や脂質と一緒にたんぱく質までエネルギーとして消費されやすい体質という事です。私のカラダは、栄養が不足すると身体の筋肉を分解してエネルギーを得ようとする傾向が高いため、1日に体重×2g程度のたんぱく質は必ず摂る事が大切となります。

PFCのたんぱく質の適比率は40%でした。1日の消費カロリーは、おおよそ2,300kcalです。PFCバランスの数値は次の通りです。

P:たんぱく質1日あたり230g(920kcal) →1食で76g摂らないといけない計算です。

F:脂質(脂質での太りやすさ)

脂質の代謝に関する遺伝的な太りやすさは『レベル2』です。脂質で太りやすい体質で、脂肪細胞の燃焼効率が低下しやすく燃焼されなっかった脂肪が下半身につき、皮下脂肪になります。また、身体の冷えや、むくみも起こりやすい体質のため体を温めることも意識する必要があります。

PFCの脂質の適比率は25%でした。1日の消費カロリーは、おおよそ2,300kcalです。PFCバランスの数値は次の通りです。

P:脂質1日あたり64g(575kcal) →ステーキ肉でいうとおおよそ300gで脂質65gです。

C:糖質(糖質での太りやすさ)

糖質による遺伝的な太りやすさは『レベル1』と出ました。いわゆる糖質では太りにくい遺伝子をもった体質ということです。とはいっても、糖質で全く太らないというわけではありません。私の遺伝子の場合、PFCの糖質の適比率は35%でした。1日の消費カロリーは、おおよそ2,300kcalです。PFCバランスの数値は次の通りです。

C:炭水化物(糖質)1日あたり201g(805kcal) ※糖質は制限なくしっかり摂ることです。

まとめ(総合的な太りやすさの危険度)

私のカラダは、筋肉不足と脂質が太る原因になりやすい体質で、太りやすさの危険度は10段階中で 『 4 』です。

食事では脂質を控えめにしてタンパク質をしっかり摂るようにする事が大切です。糖質での太りやすさは『 レベル1 』ですが、糖質で太らないわけではないので糖質の摂りすぎにも注意をしていきます。

筋肉量を落とすダイエットは必ずリバウンドする可能性が高いので運動は筋トレを優先して、有酸素運動は出来る範囲で行うとより良い体質を維持できます。

私のカラダの1日摂取エネルギーのPFCバランスは、4(P):2.5(F):3.5(C)です。

まとめ

PFCバランスは、目的や体質、運動レベルなどに合わせて調節してみましょう。

大切なことは、食事内容やその食べ物はどんな栄養素なのかをしっかり把握しようとする事です。もちろん常に計算機を持ちながら食事管理をする必要はありません。ご自身が今どのような食習慣になっているのかを、ある程度把握しておく事が大切です。

なぜならば、『カラダは食べたものでつくられる』ため食習慣によって体型やその時々の不調や病気と隣り合わせになっているからです。

PFCバランスは、そういった日々の食事の選択や判断を容易にしてくれる便利な指標です。

更に、自分自身に合ったPFCバランスを知るためのツールが、”遺伝子検査”、”DNA検査”、”体質検査”といって近年とても身近なものになって来ました。

遺伝子検査を例えるならば、『一生変わっらないご自身のカラダの取扱説明書』のようなものです。

遺伝子検査で体質を知り、ご自身のカラダに合ったPFCバランスで日々の食習慣を過ごしていくことで、より効率良く健康なカラダを手にいてる事ができます。

ぜひ、毎日の食習慣にPFCバランスを取り入れてみてはいかがでしょうか。

ABOUT US
タカハシ岩手県出身 35歳 
栄養学を学んだら体重−15kgのダイエットに成功!!整形外科での職務経験を活かし、盛岡市で整体と栄養学をコンセプトに運営中。主にカラダのこと、栄養のことについて確かな情報収集をまとめたブログサイトです。岩手から全国に健康をお届けします。