今回は、寝違えによる首の痛みにSwitch on!
「朝起きてみると首が回らない」といった寝違い(急性疼痛性頸部拘縮)のメカニズムは明確にされていないが、主な原因として2種類が考えられます。
寝違えの主な原因
①痛める前日などに軽く捻った、重いものを持ち上げたなど頸部の筋や人体に負担が掛かった場合。軟部組織に炎症が起きている可能性があります。
②特に痛めたわけではないので、炎症は起きていないが筋や靭帯などに強い緊張が起きている場合。
よく強い緊張の事を『筋スパズム』というが、これは脊髄反射による筋肉の不随意性収縮です。つまり何らかの原因により筋肉が無意識に収縮している状態です。
筋肉の内圧は高い状態であるためその筋肉に圧力をかけると(例えば押すとか、伸ばす、力をいれるなど)その圧力を逃がす柔軟性がその筋肉にはないため痛みが発生します。これは防御反応のひとつで、不自然な寝方によって持続的に頸部の筋に負担が掛かるとよく起こります。また、ストレスによっても頸部に筋スパズムが発生することもあります。過度なストレス状態は寝ている時に強い食いしばりや頸部に強い力が掛かるからです。そのため寝違いの患者様がご来院した場合は、最近の神経状態や環境の変化などを問診で聞くことも大切であります。
寝違えの対処法
寝違いが、どの筋肉に起こっているかを確かめます。筋スパズムが最も起きやすい筋肉は「肩甲挙筋」や「板状筋」です。痛みが起きてからどの位経過しているかにもよりますが、多くのばあいは当日の場合は局所への強い刺激は避け、反対側や周囲の筋を緩めていくのが無難です。ストレスが原因の場合は自律神経の調整を行います。
局所に入浴やホットタオルなどで温めて血流を良くする事が回復を早めるのでお勧めです。痛みが強すぎる場合はロキソニンなどの薬を服用するのもありと思われます。痛みが持続すことで交感神経も上がってしまい、周囲の筋肉にも緊張が広がる、悪循環になってしまうからです。
また、セオリー的には痛めた直後は炎症を抑えるためにアイシング(冷却)を選択しますが、寝違えの場合には、凝り固まった緊張を助長するリスクを考慮します。
寝違いはぎっくり腰同様、その背景には疲労の蓄積や歪み、関節の可動制限、自律神経の乱れなどがあるため、痛みが取れてからの治療も大事となります。