今回は、頚椎ヘルニアについて簡単な説明と、症状が酷く手術が適応になってしまった場合の内容と手術件数の多い病院をご紹介します。
頚椎ヘルニアとは
頚椎は背骨の首部分にある7つの骨から構成され、骨と骨の間にはクッション的役割を持つ「椎間板」が存在します。「頚椎(頸椎)椎間板ヘルニア」は変性した首の椎間板から中にある髄核が飛び出て神経を圧迫することにより、手足の痛み・しびれを引き起こす病気です。発症要因は加齢や首への運動負荷であり、30~50代の中高年に発症しやすいです。
神経の症状
椎間板によって圧迫される神経が脊髄から枝分かれしている「神経根」であれば、首の後ろから肩・腕・手にかけての痛みやしびれが通常片側に現れます。特にうがいなど首を後ろに反らす動作で症状が強くなる特徴を持ちます。脊髄を圧迫している場合では手のしびれが片側にみられ、次第に反対側にも現れることがあります。また、症状が悪化すると、箸が使いにくい・洋服ボタンの止め外しがしにくいなど指で細かい動作を行うことが困難になる巧緻運動障害や歩行障害・排尿排便障害が現れるようになります。
医療機関での対応
診断は臨床症状のほか、X線(レントゲン)・MRI検査・CT検査による画像検査、腱の反射・脱力・痛みの誘発テストから行います。無症状であれば、画像診断で神経圧迫がみられてもすぐに手術の必要はありません。(保存療法)
神経根への圧迫に対しては保存療法を基本として、リハビリや施術・整体でなどで約3か月の治療で約80%に症状改善の期待ができます。
病院では、コルセットや頚椎(頸椎)カラーなどで首の安静を保ち、消炎鎮痛薬・筋弛緩薬などの「薬物療法」を中心に進める。血行促進を図る「温熱療法」や筋肉のコリや痛みの軽減のための「牽引療法」、痛みが強い場合には「神経ブロック注射」を行うことがあります。
約3か月の保存的治療で症状が改善しない、脊髄への圧迫による歩行障害・排尿排便障害がみられる場合には、ヘルニア除去手術を検討します。ヘルニアが大きくなければ、レーザーによる日帰り手術も近年行われています。なお、神経圧迫の軽減にはやや高めの枕が良いとされています。
全国合計 頚椎椎間板ヘルニアの治療実績
(参考)全国の医療機関での椎間板変性、椎間板ヘルニアの治療実績と統計データ
手術別 | 件数 | 平均在院日数 |
---|---|---|
(01) 内視鏡下椎間板摘出(切除)術 後方摘出術等 | 11,195件 | 9.3日 |
(02) 椎間板摘出術 後方摘出術 | 11,647件 | 14.4日 |
その他手術 | 5,779件 | 16.7日 |
手術なし | 14,003件 | 9.2日 |
合計 | 42,624件 | 11.7日 |
※DPC対象病院・準備病院・出来高算定病院の合計治療実績 (2021年4月〜2022年3月退院患者)
病院別 頚椎椎間板ヘルニアの治療実績
「椎間板変性、ヘルニア」の治療実績数を、上位100院までのランキングをご紹介いたします。便宜上“頚椎椎間板ヘルニア”のランキングとしています。この件数には、他の病気の治療も含まれることがあります。
岩手県の医療機関
他の病気の治療も含まれることがあります。
(参考)全国の医療機関での椎間板変性、椎間板ヘルニアの治療実績と統計データ
順位 | 病院名 | 治療実績 | |||
---|---|---|---|---|---|
合計件数 | 手術あり | 手術なし | |||
1 | 岩手県 | 盛岡友愛病院 | 36 | 36 | – |
2 | 岩手県 | 社会福祉法人 恩賜財団 済生会北上済生会病院 | 27 | 12 | 15 |
3 | 岩手県 | 岩手県立釜石病院 | 23 | 10 | 13 |
4 | 岩手県 | 独立行政法人国立病院機構 盛岡医療センター | 19 | 19 | – |
5 | 岩手県 | 岩手県立磐井病院 | 15 | 15 | – |
6 | 岩手県 | 盛岡赤十字病院 | 13 | – | 13 |
7 | 岩手県 | 栃内病院 | 11 | 11 | – |
8 | 岩手県 | 岩手医科大学附属病院 | 10 | – | 10 |
※DPC対象病院・準備病院・出来高算定病院の統計 (2021年4月〜2022年3月退院患者)
※上記病気名の合計件数を表示しています
※件数が10件未満の場合は、統計が公開されていません。そのため合計数・順位に誤差があることがあります
まとめ
頚椎ヘルニアで脊髄を圧迫している場合では、手のしびれ症状から悪化すると、箸が使いにくい・洋服ボタンの止め外しがしにくいなど指で細かい動作を行うことが困難になる巧緻運動障害や歩行障害・排尿排便障害が現れるようになります。この様になってしまった場合には、放置せずにお早めに受診をお勧めいたします。専門医が在住する医療機関では、やはり手術の件数が多いです。
手術の選択肢は最終段階であると思います。リハビリや施術・整体でなどで約3か月の治療で約80%以上の方に症状改善の期待ができます。手術が適応とならない様に日々の身体のメンテナンスと適度の運動、必要な栄養素の補給などの生活習慣が大切です。
Caloo(カルー) – 全国の頚椎椎間板ヘルニアの治療実績・手術件数の医療機関での椎間板変性、椎間板ヘルニアの治療実績と統計データ
参考サイト